デン爺
今回は、「ダンまち」や「デュラララ!!」のイラストを担当し、そして現在、月刊シリウスにて「夜桜四重奏~ヨザクラカルテット~」を連載しているヤスダスズヒトの新連載『ブーツレグ』について紹介したいと思います。
この作品は「夜桜四重奏~ヨザクラカルテット~」と並行しての同時連載ですが、こちらも負けず劣らず面白い作品です。
気になった方は、ぜひ読んでみてください。
概要
(引用;https://pocket.shonenmagazine.com/)
・作者;ヤスダスズヒト
(他作品;夜桜四重奏~ヨザクラカルテット~)
・掲載誌;月刊少年シリウス(講談社)
・発表号;2019年5月号~
あらすじ
(引用;https://pocket.shonenmagazine.com/)
7年前のあの日。
両親と妹は「広場から出ていた手に飲まれ」残ったのは妹の靴と左足以外の俺の身体だけだった。
(引用;https://pocket.shonenmagazine.com/)
7年後。
ゼンは左足に義足をつけて、「シェイクハンド」と呼ばれる妹と両親を飲み込んだ手を倒すためにトレーニングに励んでいた。
そんな中で、突如としてゼンの前に再び現れた「シェイクハンド」。そして職人靴団「ブーツレグ」。
この世で最も大切なものが奪われた少年が葛藤の果に選び取った手段とは!?
外連味あふれるアンリミテッドなダークファンタジーな物語が今、始まる。
登場人物
ゼン・ベネディクト
幼い頃に、左足と妹。そして両親を「手袋事件」と呼ばれる広場に生えた手袋に飲まれ失う。以後、左足に義足を付けいつか「シェイクハンド」を倒すためにトレーニングに励み、職人靴団「ブーツレグ」に入団する。
義足名は「青天井」。
リリイ
町の看護師でありながら、ゼンが妹と両親を失ってから一番近くで見守っていて、トレーニング相手でもありその実力は底しれず。また、実はゼンと同じ足を持っていかれた被害者。
ツバキ
職人靴団「ブーツレグ」の大親方。ゼンの義足を作った人でもあり、靴屋を営んでいる。
義足名は「灰被姫」。
鈴姫(リンシー)
職人靴団「ブーツレグ」の中国拠点4番隊棟梁。
エリオ
職人靴団「ブーツレグ」に所属。義足名は「韋駄天」でゼンたちと同様の被害者である。
義足の特徴から、自分の前を走られると怒る。
「ブーツレグ」用語
ハンドレッド
(引用;https://pocket.shonenmagazine.com/)
正式名は「Hand-Red」。「魂」を持つ100双の手袋のことで、ゼンが遭遇した「シェイクハンド」もその一つ。その他には「オールアボート」などがいる。
ほとんどが神出鬼没で突然現れては、人や建物を飲み込む。
ブーツレグ
(引用;https://pocket.shonenmagazine.com/)
ハンドレッドに対抗する組織。ハンドレッドに散らされ、奪われ、ハンドレッドを仇としているものによって構成されている。ハンドレッドに比べると本当の魂の入っていない「海賊版」の武器だが、全員が何らかの性能がある靴または義足を武器として利用している。
流派
(引用;https://pocket.shonenmagazine.com/)
職人靴団「ブーツレグ」の団員が履く靴をジャンルごとに分けたもの。
家元
(引用;https://pocket.shonenmagazine.com/)
各流派を取りまとめている者のこと。各派ごとの一番の実力者がその流派の家元となる。
隊
(引用;https://pocket.shonenmagazine.com/)
「ハンドレッド」には、基本的に隊ごとで対処する。流派は能力の方向性が似ているため、偏りができてバランスが悪い。そのため、様々な流派が混ざって構成されている。また、対応しやすいように国ごとに組まれている。
棟梁
隊をまとめている者のこと。こちらは実力もそうだが、総合的なことを判断して隊ごとで決められる。
「ブーツレグ」ってどんな話!?
まずはじめに言いたいことは、おもしろい。ということです。
最初の1話だけでも、96ページの中に伏線があったり、明るい場面とくらい場面が組み込まれているのでメリハリがあったりと、
非常に読みやすく、物語に引き込まれていきます。
1つ1つの話に、新たな展開が動き出すのがこの作品の良いところでしょう。
では、ここからは「ブーツレグ」とはどんな作品なのか紹介していきたいと思います。
皆さんはヤスダスズヒトの他作品を知っていますか?
知っている人なら分かると思いますが、今回も妖怪が絡んだお話です。
ただ、一つ違うのが人間側と妖怪側の戦いであるということ。
今までは、人間と妖怪が一緒に生活しているというのが多かったですが、今回は違うみたいです。
それでも、靴や義足のおかげで、人間側もおおよそ人間とは思えない動きをしますから、戦いのシーンは迫力満点です。
(引用;https://pocket.shonenmagazine.com/)
例えば、第1話でゼンが7年後に対面した「シェイクハンド」との戦いで言えば、
ゼンの鍛え上げられた本当の力が発揮されるシーンや、それと反対に「シェイクハンド」に追い込まれてしまうシーンなど、一つ一つが非常にアツくなります。
(引用;https://pocket.shonenmagazine.com/)
また、一つの戦いの中に肉体的・体力的な面の凌ぎ合いだけでなく、精神的な葛藤。相手との関係性を利用した苦しみが必ず入れ込まれている。
というのも、特徴として挙げられるでしょう。
それも相まって、バトルが単なる倒し合いになるのではなく、重厚感がましたものになってくるのだと思います。
そのため、1話ごとに展開が進むのも合わせて、この作品は読み応えが抜群です。
そして、なんと言っても特徴的なのが、今回の主人公ゼンは努力で強くなっていくものだと言うことです。
今までの作品で言えば「夜桜四重奏~ヨザクラカルテット~」の秋名とか、これはイラストだけですが、「デュラララ!!」の帝人とか、
一見、普通あるいは弱そうとすら見える主人公が実は強い、または力を持っているというパターンが多く見られましたが、
今回の作品では、ゼンはトレーニングによって力を蓄え、そして周りに気付かされる形で力を発揮する。という形です。
(引用;https://pocket.shonenmagazine.com/)
つまり、強さが知られていないのではなく、強さを周りから教えてもらう。
(引用;https://pocket.shonenmagazine.com/)
そのため、はじめから全力である。という逆のパターンの展開となっています。
主人公の傾向がここまで同一の作者で変わるのは珍しいと思います。
なので、ヤスダスズヒトの作品が好きだ。という人はもちろんのこと、あまり好きではない。という人にも違った面白さがあるので楽しめる作品となっているのではないでしょうか。
そして、最後にコメディ展開も入っているということも知っておいてほしいです。
自分の仇を倒す。という真剣な戦いと戦いの間にしっかりと笑わせてくれるやり取りが含まれています。
そのため、登場人物の性格や表情が、単一にならず様々な角度で見ることができるので、非常にキャラクター愛が深まっていくと思います。
もちろん、違った要素を混ぜ合わせているからと言って、話がぐちゃぐちゃになっているわけではないので安心してください。
また、まだ見ぬ裏設定もたくさん出てくると思うので今後の展開にも期待していきたい作品です。
おわりに
これらが、「ブーツレグ」を知ってもらうための設定と作品の特徴の全てです。
はじめにも言いましたが、絶対に面白い作品です。
「夜桜四重奏~ヨザクラカルテット~」と同時連載のため、「ブーツレグ」の連載自体は遅いですが、それ故に、先が気になって待ち遠しいです。
気になった人はぜひ読んでみてください!