デン爺
(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)
はじめに
イエスタデイをうたっては冬目景の作品でビジネスジャンプ1998年1号から2011年17号。その後グランドジャンプに移籍し、2011年から2015年13号まで連載され全11巻122話に加え、短編集が1巻発売されています。
あらすじ
大学卒業後、職に就くこともなくフリーターとして日々を過ごしていた魚住陸生。
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そんな彼の前に、ある日カラスを連れた少女・野中晴が現れます。
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ハルの破天荒な行動や恋心に戸惑うなか、陸生はかつての想い人である森ノ目榀子が東京に戻ってきたことを知ります。
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さらに榀子に恋心を寄せる幼馴染の少年・早川浪が金沢から上京してきて…。
そんな4人が繰り成す、楽しくて切ない恋の話です。
作品の特徴と感想
基本的には全員片思いという展開です。
恋愛作品なので、人物関係を考えるとある程度「結果こうなるんだろうな」と予想がついてしまいます。
しかし、この作品はその過程がとても濃密で面白いのです。
この漫画で出てくるキャラは大半、男女問わず草食系の小心者なので、変わらない関係がズルズルと続いてしまうという流れです。
そんなリクオやハル、周りの人たちも含めた人たちの感情や微妙な変化、人間関係が細かく描かれていて、思わずのめり込んでしまいます。
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悪い点を挙げるとしたら、前半と後半の話の印象が違うということです。
例えば、はじめのころはハルはカラスを飼っていてミステリアスな感じですが、後半では普通の女の子という感じで、さらにカラスもむしろ邪魔な存在となっているなどがあげられます。
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そこは、残念なポイントとして挙げられます。
さて、話は変わりますが、この作品の最大の特徴といえばなんといってもその連載期間と間隔です。
イエスタデイをうたっての掲載は、休載が多く1年間の掲載が5回も満たないということもありました。
そのため、単行本も1年以上でないこともあり、3巻から4巻の間は2年以上、4巻から5巻の間は3年ほど間隔があいています。
なので、18年という長期連載にも関わらず、全11巻122話にしかなっていないのです。
しかし、1話1話非常に綿密に丁寧に描かれています。
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また、絵も今どきのデジタルで描かれたものでなく、独特なタッチで描かれているため、日常の中の落ち着いた雰囲気、また深みが感じられます。
そして、もう一つの特徴としてエロが一切描かれていないということです。
最近の恋愛作品はラッキースケベが多く描かれていたり、中にはHシーンも描かれているといったケースの作品が多くなっています。
しかし、そんな中、「イエスタデイをうたって」はなんと大人の恋愛が描かれているにも関わらずキスの一つもないんです。
それが逆に、濃い内容にしているというか、リアリティーを持たせるようになっているというか、なんだか作品の良い味を出しています。
おわりに
「イエスタデイをうたって」は独特の世界観を持っているため、つい入り込んでしまいます。
そのため、静かな場所で時間のある時に一気に読むことをおすすめします。
また、同じような雰囲気が味わえる作品として、同じ作者の冬目景の作品で、1996年から2002年にコミックバーガー、コミックバースで連載された「羊のうた」全7巻があります。
「イエスタデイをうたって」の世界にハマったならば、こちらも読んでみてください!