デン爺
マンガを読んで感想や出来を人と語り合う上で、『キャラが弱い』とか『キャラクターが立っている』という言葉はよく使いますよね。
しかし、皆さんは、“キャラ”と“キャラクター”の指す言葉の違いについて知っていますか?
実は、この二つの言葉は単に違う言い方をしてるのではなく、指しているものが違います。
多くの人は、この違いに気づいてないのではないでしょうか。実をいうと、私もそうでした。
そこで、今回はこの二つの言葉の違いを例も挙げて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
そして、マンガに対する知識を高めましょう!!
“キャラ”と“キャラクター”
まずは、言葉の定義を紹介します。
キャラ
キャラとは、簡単な線画を基本とした図像で描かれ、固有名詞で名指しされることによって「人格のようなもの」として存在感を感じさせるもの。です。
つまり、
→“キャラ”とは物語における登場人物の存在感のことを指します。
そのことから、“キャラ”は同一の登場人物であっても作家固有の描線や表情、また服装などの差異によって違いが生まれるものです。
そのため、『キャラが強い』とは作家がマンガを描くに当たり持つ単純な技術が高いことを意味し、逆に『キャラが弱い』とは、絵が下手という事を指すことになります。
キャラクター
一方で、キャラクターとは「キャラ」の存在感を基盤として人格を持った身体の表現として読むことができ、登場人物の背後にその「人生」や「生活」を想像させるもの。です。
つまり、
→“キャラクター”とは物語における登場人物の実在感や影響力のことを指します。
そのことから、“キャラクター”は同一の登場人物であっても、友情や恋愛といった強い感情表現の仕方の差異によって違いが生まれるものです。
そのため、『キャラクターが立っている』とは作家がマンガを描くに当たり、いかに感情表現を豊かに描けているかを指していることになります。
また、『キャラクターが立っている』にはその感情表現が、いかに現実世界に抱く、つまり私たち読者の感情に影響を与えるかも大きな要因となります。
つまり、私たちの感情がそれらの登場人物たちの見せる感情に動かされたかが重要になります。
マンガ「NANA」を例に
(引用:https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)
それぞれの定義については理解していただけたでしょうか。
では、ここからは、大人気少女マンガ「NANA」を例に紹介します。
「NANA」については「“キャラ”は弱いけど、“キャラクター”は立っている」という評価がなされています。
つまり、絵は下手だけど、登場人物の感情表現はよく読者の心に強い影響を与えるという事ですね。
では、実際どうでしょうか。
「NANA」の作者は矢沢あいですが、お世辞にも絵が上手いとは言えませんね...。
(引用:https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)
どちらかと言うと、誇張が激しくどこかいがんでる!?
しかし、一方で小松奈々と大崎ナナ、二人の少女・ナナが繰り広げる恋愛には、
運命を切り開く強い意志や想いに、読者は強く揺さぶられるものとなっています。
これが、大人気であり名作と言われる所以なのですが、
まさに、「“キャラ”は弱いけど、“キャラクター”は立っている」という評価に当てはまったものとなっていますね。
おわりに
“キャラ”と“キャラクター”の違い。皆さん分かりましたか?
最後にもう一度言っておくと、
“キャラ”とは場人物の存在感、つまり作者の絵の上手さを指し、
“キャラクター”とは登場人物の実在感や影響力と言った作者の描く強い感情表現の仕方、そして登場人物たちの見せる感情が私たちの感情にどのくらい響いたかを指します。
皆さんも、この二つの言葉の違いを理解して作品について語り合ってみてはいかがでしょうか。
そうすることで、作品に対するより細かな感想を相手に伝えることができるかもしれませんよ!
また、「NANA」についてまだ読んだことがないという人は、ぜひ一度読んでみてください!おすすめです。