『なれの果ての僕ら』1巻のネタバレと感想。

デン爺

今回は、『なれの果ての僕ら』の第1巻を読んだ感想を紹介したいと思います。

『なれの果ての僕ら』は「骨が腐るまで」などで知られる内海八重の最新作で非常に楽しみにしていました。

※第1巻の内容を順を追って振り返りながら進めます。
※ネタバレを含みます。

はじめに

今回は、『なれの果ての僕ら』の第1巻の内容を順を追って振り返りながら進めます。

なので、がっつりネタバレを含みます。

そのため、まだ第1巻の内容を知らない人は、先に本誌を読むことをおすすめします。

事件は52時間後に解決した。その間、12人が死んだ。――閉ざされた教室で、ヒトは獣になったのだ。同窓会のために母校に集った四ノ塚小学校元6年2組のメンバー27人は、そのまま監禁された。首謀者の名は夢崎みきお。「極限状態での善性」を問う実験は、薄皮をはぐように、人間の本性を暴いていった。疑惑、欲望、暴露、復讐、そして裏切り。道徳を糾弾する、倫理崩壊サスペンス。

『なれの果ての僕ら』1巻を読んだ感想

ここからは、『なれの果ての僕ら』の第1巻を内容を振り返りながら、感想を進めたいと思います。

事件後の...

まず、面白いと思ったポイントが、最初の1ページ目から事件の結果と内容が振り返られていたことです。


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

この手の内容の物語は、結果や内容が分かってしまうと、盛り上がりに欠ける部分が出てくるので危険ではあるのですが、

しかも、結構詳細に報告されているので、珍しいタイプの入りで、逆に期待が高まっていきました。

実際、1巻を読んだ時点では、盛り上がりに欠けるとか言ったことは一切なく、結果が分かっているにも関わらず、非常に緊迫感があって、楽しめました。

なぜなのか。もちろん、内容に引き込まれていた部分もありますが、

それは、偏にこの作品は“猟奇殺人“をテーマにしているのではなくて、学級の中における“人間性“にテーマを置いていたからだと思います。

そのうえで、“今“ではなく“過去“の人間関係に重点を置いていた点も魅了的でした。

過去の人間性をテーマとすることで、物語がストレートではなく、複雑に絡まってどうなるのか、結果はあるのに、展開が読めなかったです。

そのため、この欠点が出やすいタイプの物語の導入でも非常に面白かったです。

みきおの登場

夢崎みきおの企画した六年二組の同窓会に出席するために、当時使っていた教室に集まったネズ達。

そして、再開を懐かしんでいましたが。みきおの登場で一気に状況が一変しました。


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

谷口君の死体。逃げ出したタカポンがみきおの仕掛けた硫酸ミストの餌食となり死亡。

まぁ、タカポンは“死んだ“とはっきり描かれているわけではないので、実は生きていてこれが伏線になっていた。ということも考えたのですが、1巻を読んだ限りではそれはなさそうですね。

そして、パニックから状況を飲み込むみんなの心情を見計らって、ピストルを取り出す。

すべてが、みきおの思惑通りの展開で事件が始まりました。

その中で、ネズの立ち回りが非常に面白かったです。

タカポンを助けようと先頭に立って手を差し伸べていたネズ。そして、タカポンが死んでしまったことにより感情的になっていました。

ここまでは、事件が起こった直後の中心人物らしくて、と思ったのですが、意外と状況を冷静に分析しているネズの心情もあって。

そこが以外で、とても印象に残りました。

また、そのほかの部分でも、ネズは感情的になっている部分はありますが、全体の印象としてどこか離れた視点から冷静に分析している場面があります。

だから、1巻を読んだ中ではいまいち、ネズの本性がとらえきれなくて。


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

しかし、それが作品として悪い意味ではなく、かえって面白くなっているので、ネズの視点での事件の振り返りが楽しみです。

みんなの信頼度を問う実験

そして、始まったみきおの言う「みんの信頼度を問う実験」ですが、はじめの結果通り一人が死にました。

しかし、それがまさかネズのせいで死んでしまうとは思いませんでした。

小清水さんの誕生日を考えるシーンで、“半袖だった“とか、“7月で“とかすごくいい線の推理をしていたので、てっきり助かるものだと思いました。

なので、まさかの時間切れになるとは驚きました。


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

やはり、先に結果が分かってる点。そして、52時間という時間制限がある中なので、展開がとても速いです。

一切無駄がないので、非常に面白いです。

今回にしても、ネズのせいで死んでしまったのに、たいして責められたり、立場が悪くなってというやり取りがないまま、やり直しという上を超える展開がやってきました。

しかし、その一方で、実験を通じて極限の中での、妬み・怒り・恨み・裏切りといったもろもろの感情が入り混じったやり取りがあって、深い心情の読み取りがあってと、代表される人物の人間性が前面に出されていたので、一言一句逃せなかったです。

カレーの毒殺

そして、安息もつかの間。すぐに次の展開はやってきました。

やはり、この作品は一つ一つの内容が濃いうえに、展開が早いので息もつく間もなくアッという間に読み終わってしまいました。

カレーの毒殺では、今までとは違う形で、今回は、みきおが進めていないのに、仲間同士で殺し合いが始まりました。

これは、過去の関係がある者同士が集まったからこその結果ですし、これが、みきおが死亡したにもかかわらず事件は終わらず3日目に突入していく前章だと思うとゾクゾクします。

そして、盗んだ毒のビンを未来が持っていたことには驚きました。

続きが気になりすぎます。

おわりに

以上が、『なれの果ての僕ら』1巻の感想になりますが、まとめて一言でいうと、

内容濃く展開が速くて面白かった“です。

このペースでいくと短巻で終わっていしまいますが、それでも、このペースを崩さずにしてほしいです。

大満足の1冊でした。