【感想】絶園のテンペストってどんな漫画?

デン爺

今回は「絶園のテンペスト」がどのような漫画かを紹介していきたいと思います。

また、実際に読んだ感想とおすすめポイントも紹介したいと思います。

はじめに

まずは、「絶園のテンペスト」についての基本的な情報を紹介していきたいと思います。

概要

「絶園のテンペスト」はスクウェア・エニックスで本編が2009年8月号から2013年4月号まで、特別編が2013年5月号から同年の11月号まで掲載されていました。

作者は城平京で構成は左有秀、そして作画が彩崎廉と漫画においては珍しい三人体制で描かれた漫画です。

作者・城平京は推理作家として有名で、現在連載中の「虚構推理」の原作を書いたことでも有名です。

構成・左有秀のその他の作品としては、同じくスクウェア・エニックスで連載された「グッドモーニング・ベートーヴェン」があります。

そして、作画の彩崎廉はこの「絶園のテンペスト」がデビュー作品となっています。

全10巻が発売されていて、その内訳が本編が9巻・特別編が1巻。そしてガイドブックが8.5巻として発売されています。

また、2012年10月から2013年3月まで全24話構成でアニメ化もされていてそういったことからもこの作品の人気が伺えるのではないでしょうか。

あらすじ


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

「世の中の関節は外れてしまった。

ああ、何という呪われた因果か、それを直すために生まれついたとは!」
※『ハムレット』シェイクスピア 野島秀勝訳 岩波文庫

 

鎖部葉風は、始まりの樹の対する意見の対立から鎖部左門によって魔法の使えない「絶海の孤島」に島流しにあっていた。


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

葉風は数ヶ月後、白骨化した状態で遺体となって回収される。


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

左門は葉風が死んでいることを確認した上で、はじまりの樹が復活することを阻止すべく、唯一対抗できるとされる絶園の樹を復活させるべく一族を上げての活動を始める。

 

その頃、滝川吉野は恋人だった不破愛花を殺人事件で殺されていた。

警察によると、犯人につながる手がかりはなく事件は迷宮入りしようとしていた。

一方で、愛花の兄で吉野の親友である不破真広は当てにならない警察に限りをつけ「自分で犯人を見つけこの事件に蹴りをつける」と吉野に言い残して姿を消していた。


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

夏の事件からときが過ぎたある冬の日、吉野は今とは日課となった愛花の墓参りにおとずれていた。

いつもおように墓参りをしていると、吉野はいきなり銃を突きつけられる。


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

驚いた吉野をよそに、女は「エヴァンジェリン山本」と名乗り真広の消息について訪ねて来る。


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

吉野は正直に消息はわからないと答える。

すると山本が問い詰めるように吉野の胸ぐらを掴み、顎に銃口を突き立てる。

しかし、吉野は至って冷静で時間を稼ぐか、相手の気を逸らすための何かがないかあたりを見渡す。


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

すると、吉野は冬の時期にもかかわらず、大量のアゲハチョウが飛んでいつことが目に入る。


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

アゲハチョウに目を取られた山本の一瞬のすきに吉野は反撃にでる。

しかし、対抗され吉野はマウントを取られた。


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

撃たれると思ったその時、山本の体が吹っ飛ぶ。


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

そしてそこには、消息を立っていたはずの真広の姿があった。


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

更に真広は死んだはずの魔法使い葉風と通信をとり、葉風の力を借りて魔法の力を手に入れていた。

死んだはずの葉風となぜ真広は言葉を交わせているのか?大量に現れたアゲハチョウの謎とは?そして愛花が死んだ訳とは?

正気と狂気、理性と知性。自信と確信。悲劇と不合理の世の中で復習と魔法を巡る、時間と空間を超えた物語が始まる!

「絶園のテンペスト」の用語

ここでは、「絶園のテンペスト」で重要となってくるいくつかの用語について紹介して行きたいと思います。

すでに、あらすじでもいくつかの用語が出てきて戸惑った人もいるかもしれませんが、この作品では、これらの用語とその持つ意味が重要な役割を担ってくるケースがあります。

そのため、ここでしっかり予備知識をして目を通して置くのも良いのでないでしょうか?

はじまりの樹

  • 葉風ら鎖部一族が神のごとく奉る大樹で「創造」のちからを持って世界を作り出した。
  • 世界を創造する過程で絶園の樹と争い深く傷ついたため深い眠りについたが、現在も世界の条理を支配していて、「魔法」のちからの源となっている。
  • 「魔法」の力を使う代償として「高度の文明の産物」を捧げることが条件となっているため、文明がリセットすることに繋がりかねない危険をはらんでいる。

絶園の樹


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

  • はじまりの樹に対抗できるとされる「破壊」の力を持つ。
  • はじまりの樹との戦いに破れ「果実」という形で各地に封印されている。

黒鉄病


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

  • 絶園の樹復活の兆しとして全世界で流行った奇病。
  • 発生に伴い大量のアゲハチョウが出現する。

魔法


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

  • はじまりの樹が供物と引き換えにあたえる。
  • 捧げられる供物が、より高度な文明のものほど使える魔法は高い。(捧げたものは消滅する)
  • 他人を殺害した場合は一切の魔法が使用できなくなる。

魔具


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

  • 魔法の力を封じた道具。
  • 力のない一般人でも魔法を使うことができるが、使用回数は限られる。

こういった感じでしょうか?

これらは先に行った通りに物語の上で重要なキーワードとなっていきますのでぜひ知っておきましょう。

感想

ここからは、実際に読んだ感想とおすすめできるポイントを紹介していきたいと思います。

①絵がきれい

まず、はじめにおすすめポイントとして挙げたいのが、絵がきれいだと言うことです。

最初のページの見開きのカラーをはじめ、この漫画にはとても繊細なものや描写が描かれていてます。


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

更に、はじまりの樹や絶園の樹をはじめとする、魔法や剣などこの世にないものをわかりやすく、なおかつそれぞれに魅力があるように描かれているのでとてもわかりやすです。


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

そのため、世界がはじまりの樹と絶園の樹の理によって破壊されていく混沌とした様子が雑ではなく、しかし、しっかりと迫力を持って描かれているのでとても面白いです。

また、繊細な模様をつけたり描写していく一方で、コマ割りなどは重要な場面では大胆に使うことによって迫力のある漫画となっています。


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

作画担当の彩崎廉はこの作品が処女作ということですが、とても素晴らしい作画となっていると思います。

ぜひ、この作品は全カラーで見たいと思わず考えてしまいました。

②構成がすごい

次に、面白かったポイントとしては構成の素晴らしさです。

この物語は大まかに分けると3部構成になっていますが、それぞれに熱くなるシーンがあって、また物語の謎が徐々に明らかになっていくのがとても面白いです。

「絶園のテンペスト」ははじまりの樹と絶園の樹どちらが人類にとって恩恵をもたらして、どちらが害悪をもたらすのか持ったくわからない状態で話がスタートします。

そのため、登場人物の間で意見が別れて対立しているわけですが、徐々に理(道理)が明らかになるつれて、対立していた相手が仲間になったり、逆に仲間だった相手が対立関係になったりと話が二転三転していきます。

更に、素性のわからない不気味な登場人物の謎が徐々に明らかになっていったりと、思わず先の展開が気になって手が止まらなくなる工夫が随所に施されています。

例えば、主人公の吉野は特にこれといった能力は持っていません。

しかし、その性格や相手を注意深く観察する相手の感情を読み取るといったことに長けていて、不気味な感じやこの先どうなっていくのか、読者をワクワクさせる感じを常にまとっている部分が印象的です。

③ただのファンタジー漫画ではない

これは伝えて置かないと行けないと思います。

まだ「絶園のテンペスト」を読んでいない人は、用語の部分を見て魔法とか魔具と行った言葉に抵抗を感じたのかもしれません。

しかし、この漫画は普通のファンタジー漫画ではありません。

かと言ってダークファンタジー出ないのも特徴的です。

では何なのか?この漫画は魔法や魔具といった言葉が出てきますが、どちらかといえばファンタジー要素よりも謎解き要素が強いためミステリーの分類に入るものかと思われます。

それかミステリーが入り混じったSFといったところでしょうか?

そのため、魔法が中心ではなく現実における出来事やその順番、そして道理が重要となっていて読み応えが抜群となっています。

さらに、バトルシーンも迫力を持って描かれているのでそこも注目ポイントとして上げることができると思います。


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

④衝撃の展開と驚きの伏線

そして、最後にこの漫画の最大の魅力と言えるのが最終巻(10巻が特別編となっているため9巻)で見られる衝撃の展開です。

この漫画は、3つの謎が同時進行で進んでいます。

そして、1部ごとに一つずつ解決されていくのですが、もちろんそのすべての話が最終部分につながってきます。

さらにその一つ一つに伏線がしっかりと貼ってあるのです。

そして最後の謎が愛花は一体誰に殺されたのか?というものです。

「絶園のテンペスト」の特徴は個々の謎に対して考えられる可能性を一つずつ潰して行くという形で進行していきます。

そのため、まるで本格的なミステリー小説を読んでいるような感覚に陥ります。

愛花の死については、「絶園のテンペスト」の冒頭の部分から謎として取り上げられていました。


(引用;https://ebookjapan.yahoo.co.jp/)

その中で、新たな出来事が起きてそれらの解決に取り組んでいくのですが、しっかりと愛花の死ともつながる形で話が進んでいました。

そして、それぞれの解決時における最終的な謎の解釈は、道理がすべてつながるように変わっていきました。

そのようにして、様々な可能性を潰していったのですが、もう無いだろうと思っていた最終段階で、衝撃の展開が待っていてすべてが覆されます。

しかも、それは読み直して見るとしっかりと伏線としてあって、さらにスッキリとすべての物語がつながっているので解き明かされていくワクワク感と鳥肌が立って手を止められずにはいられませんでした。

これらが「絶園のテンペスト」のおすすめポイントと言えるでしょう。

おわりに

このような、はじめからしっかりと考えられていて、なおかつ衝撃が走る程の結末を持っている漫画はこれが初めてでした。

こういったことからこの作品は絶対におすすめできるものです。

実際に貸したり、おすすめした友達から、はじめこそ「難しそうな漫画やな」などと言われるのですが、最後まで読むと「めっちゃおもしろかった」「また、紹介してや」と感謝されることが多いです。

なので、みなさんも一度手にとって読んで見てはいかがでしょうか?

そして、すべてがひっくり返される結末を、まるでミステリー作品のような展開を体感して見てください。